【共生社会レポート⑨】大崎市の挑戦!包括的支援体制の構築を目指して!

 宮城県地域共生社会推進会議では、宮城県内の困りごとを抱えた高齢者・障害・子ども等の分野を超えた支援や地域住民の支え合い活動及び自治体・社協・福祉関係団体、NPO、企業などの連携事例を調査し、活動内容などについて情報発信を行っています。
 今回は大崎市が行っている庁内連携に向けた取組について、大崎市の地域共生社会を担当している小山氏に取材してきましたので、ご紹介したいと思います。

インタビュー:大崎市民生部社会福祉課地域共生社会担当
主査・第一層生活支援コーディネーター 小山 伸 氏

写真は小山氏(写真右)と同コーディネーターの鹿野氏(写真左)

-この取組を始めた経緯を教えてください-

 私は令和5年度に大崎市役所に入庁しましたが、福祉関係課と横のつながりはあるものの、それ以外の部署との関りが薄いように感じました。入庁し業務を行う中で地域づくりには福祉の視点も必要だと感じる一方で、地域の話を伺っていると複合的な課題を抱えた人の支援には福祉以外の部署が持っている情報も必要と感じることがありました。それぞれの持っている情報を共有することで、よりスムーズに適切な部署や窓口につなげることができると思い、この取組を始めました。

 

-具体的にどのような取組をされていますか?-

令和5年秋頃に課内で庁内連携を推進できないか検討を始め、令和6年1月下旬に「地域共生社会研修会」を実施しました。東北福祉大学の都築教授を講師に、「地域包括ケアシステムとは?」「重層的支援体制整備事業とは?」「庁内連携の取組みの基本について」をテーマに御講話いただきました。
 令和6年度は10月28日に「令和6年度第1回地域共生社会研修会」を実施し、山形市福祉推進部生活福祉課企画係の佐藤氏に「山形市における庁内連携について」御講話をいただき、まちづくり推進課や子育て支援課、市民課など9部署28名の職員が参加しました。

▲令和5年度地域共生社会研修会       ▲令和6年度第1回地域共生社会研修会

 

-この取組を行う上で大切にしていることを教えてください-

 「つながりづくり・顔の見える関係づくり」を大切にしており、研修をきっかけに職員同士が自発的にやりとりができる関係性を構築できればと思っています。担当者の顔を知っているかいないかで相談のしやすさは違うと思うので、グループワークをする際は趣味など身近に感じる事を切り口にコミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりを心掛けています。

▲グループワークの様子

 

-今後の展望を教えてください-

 令和5年度は庁内連携の必要性などを知ってもらい、令和6年度はより具体的に重層的支援体制整備事業の取組事例を学び、参加者同士でグループワークを行い、顔の見える関係づくりを行いました。令和6年度は年2回開催することとしており、令和7年1月頃に他市町村で行政が関わった事例を大崎市に置き換えてグループで検討を行う、事例検討を考えています。
 今は庁内連携をしやすい関係づくりをテーマに実施していますが、今後は市役所以外の団体にも研修会に参加してもらい、大崎市全体で包括的な支援ができるような関係性が作れたらと考えています。

 

取材を通じて

 今回、大崎市で行われている庁内連携の推進を目指した取組「地域共生社会研修会」について、御紹介しました。複合的な課題を抱えた方への支援には、福祉関係の部署だけではなく、福祉以外の部署との連携が必要であり、そのためにも顔の見える関係づくりが重要となります。まだ始まったばかりの取組ですが、この取組が市役所内だけではなく、大崎市全域に広がることを期待しています。
 今後も各地域の取組について、情報を発信しています。