今回は第2弾として、富谷市で住民が主体となって行っている「わんわんパトロール」の取組について取り上げたいと思います。
活動内容
わんわんパトロールとは、飼い主さんとわんちゃんが散歩を行いながら、町内をパトロール(見守り活動)し、子どもの登下校や地域住民の見守りを行う取組です。
この活動は、コロナ禍の最中、令和2年10月初旬、民生委員児童委員の中村幸子(なかむらゆきこ)さん(現在この活動では「世話人」)のところに、知り合いの放課後児童クラブの職員から、「小学校に通い始めた子どもたちが安全に帰宅できる方法はないか」という相談があったことがきっかけとなりました。
どのように見守り活動をすると良いかと思案していましたが、中村さんは、愛犬と飼い主さんがお散歩する姿を見て「お散歩しながらお手伝いをしてもらえたら良いのではないか」と考えました。
まずは、町内会へ相談し、活動の方法や周知の仕方について検討しました。そして活動中に飼い主さんに着けていただく、パトロール用の肉球マーク付きの緑の腕章50個を購入してもらいました。その腕章は、ペットシッターさん(現在この活動では「わんパト隊長」)の御協力で、パトロールしていただける飼い主さんにあっという間に届けられ、腕章を付けた方々の犬の散歩を見かけるようになりました。
写真① パトロール用 肉球付き腕章
朝は年配の方が子ども達の登校を見守り、夕方はパートの方などが子ども達の下校を見守ります。少しずつ子ども達に認知されてきており、腕章を見ると安心するとの声も聞かれるようになりました。また、学校に行くことを嫌がる子どもに対して「わんちゃんと一緒に登校しよう」と呼び掛けたところ、登校できるようになりました。他にも、わんわんパトロール中に、玄関先で倒れている老人を助けた事例もありました。
この活動は「できる範囲での無理のない活動」「責任を課さない」が特徴で、この気軽さが功を奏し、多くの方から御協力をいただき、現在100名の飼い主さんとわんちゃんがパトロールを行っています。
まとめ
わんわんパトロールは、民生委員の中村さんに放課後児童クラブの職員が相談をしたことで始まった取組で、中村さんは「負担を掛けずにゆるやかな取組であること」「取組を行う上で、周りがもりあげること」が大切だと話されていました。
この取組は「何らかの団体に属する活動」ということに抵抗を覚える若い世代からも理解と協力の輪が広がっており、世代を超えた取組となっています。ここで広がった飼い主さんのネットワークが、いつも誰かの見守りがある「安心安全な地域づくり」として、これからも続いていくことを期待しています。
※ 詳しい話を聞きたいという方は、宮城県社会福祉協議会共生社会推進課(022-266-3950)まで御連絡ください。
写真② 年3回発行されているわんわんパトロール通信