【共生社会レポート⑦】住民に寄り添い続けるスーパーが開くCafe

 宮城県地域共生社会推進会議では、宮城県内の困りごとを抱えた高齢者・障害・子ども等の種別を超えた支援や地域住民の支え合い活動及び自治体・社協・福祉関係団体、NPO、企業などの連携事例を調査し、活動内容などについて情報発信を行っています。
 今回は、大郷町にあるスーパー「長崎ストア-」の取組について紹介します。大郷町役場から徒歩数分の場所に、クリーニング店を兼ね備えた「長崎ストア-」というスーパーがあります。そこでは、毎週土曜日「Cafe Mamaのて」としてランチを提供しており、住民の憩いの場となっています。
 今回は、千坂さんと渡辺さんに「Cafe Mamaのて」を開くに至った経緯や想いについて、お話しを伺いました。

インタビュー:長崎ストア- 千坂 氏(写真 左)、渡辺 氏(写真 右)               

-Cafeをはじめたきっかけを教えてください-
 このスーパーは1990年代に開店しました。当時は、「小さなスーパーは流行らないよ」等と周囲から言われたこともあり、住民の声を聴くことを大切にして営業してきました。買い物ついでにおしゃべりをしていく人が多く、ここでゆっくりとくつろげる場所を作ったら、地域の方々に喜ばれるのではないかと思い、「Cafe Mamaのて」を開くことに決め、令和元年頃からスタートしました。

 

-「Cafe Mamaのて」はどんな場所ですか?-
 一人で来ても、誰かと来ても落ち着いてくつろげるような空間にしています。土曜日はランチを提供し、メニューにはナポリタン定食やオムレツ風カレーライスなどがあります。食事には地元の人に提供いただいた野菜を取り入れることもあるんです。また、お願いされればお弁当の提供も行います。店内の奥には広いスペースもあるので、団体の集まりに利用していただくこともありますよ。
 平日は基本的に食事の提供はしていませんが、Caféの椅子やテーブルの場所は自由に使っていいので、学生さんが放課後ここに集って宿題をしていくこともあります。

▲長崎ストア-の外観           ▲店内の様子

 

-今後の展望を教えてください
 これからも地域の人がここに来て、安心する居場所であれたらいいなと思っています。また、私たちはお話しをするのが大好きなので、一緒におしゃべりして元気になってもらいたいとも思っています。近くに大郷町社協がありますが、私たちは自称「第2の社協」です!(笑) 地域の人の声を聴き、時には話を受け止めたり、背中を押したりしながら、地域の方々を支えられればと思っています。私たちがこう思うようになったのも、大郷町には素敵な住民の方がたくさんいて、その方々にたくさんパワーをもらってきたからなんです。地域の方々との関わりが、元気の源や活動する原動力となっています。これからもこのスーパーに来てくれる人に寄り添い続けていきたいです。
                                    
                              ▲カフェ内の様子            

取材を通じて

 取材中も、お店には次々と地域の方が顔を出していました。みなさん、買い物の用事がありつつも、本当の目的は千坂さんと渡辺さんとのおしゃべりを楽しみとしているようで、近況を伝えてニコニコとスーパーから帰っていく姿が印象的でした。自分たちを「第2の社協」と称し、地域住民と楽しく関わる姿はとても頼もしく、地域にあり続けてほしい存在だと感じました。
 本会では今後も地域共生社会の実現に向けて、地域づくりに積極的に関わっている企業や団体の取組について、広く情報を発信していきます。