2月24日(木),地域福祉の推進を担う社協職員及び行政担当課職員を対象に,「令和3年度権利擁護セミナー」をオンラインで開催しました。
セミナーでは,日常生活自立支援事業や成年後見制度の利用を含む地域の権利擁護支援の在り方を総合的に考えるとともに,地域の権利擁護体制の構築について学びました。
【セミナー内容】
① 行政説明「宮城県における権利擁護支援の現状と課題について」
宮城県長寿社会政策課企画推進班 主事 赤間 汐理 氏
赤間主事からは,成年後見制度利用促進法及び権利擁護を推進する上での地域連携ネットワーク等について説明いただきました。また,宮城県の現状と課題についてお話しいただきました。
① 講義「地域における総合的な権利擁護体制の構築について
~岡山県総社市の取り組みから~」
講師 ノートルダム清心女子大学 人間生活学部 人間生活学科 准教授 中井 俊雄 氏
さまざまなデータから地域をとりまく環境を分析し,併せて権利擁護が必要な状態について確認しました。先生からは,「各データは全国のものなので,自分たちの地域はどうなっているかを知ることや,他人事ではない,私の権利擁護と考えることが大切」と教えていただきました。
また,岡山県総社市において権利擁護体制を構築してきたプロセスについてお話しいただき,最後に地域で権利擁護体制を構築するポイントなどを御教授いただきました。
① 事例報告「社協における権利擁護の取組と関係機関との連携について」
報告者 美里町社会福祉協議会 地域福祉課長 永沼 威雄 氏
美里町社協と関係機関との連携による権利擁護支援について,「権利擁護支援ネットワーク」や「地域福祉計画・地域福祉活動計画」の取組を御紹介いただきました。
また,美里町社協で行っている権利擁護支援の取組事例を通じて,今後の課題等お話いただきました。
【最後に】
参加者のアンケートでは,「宮城県の現状を知ることができて良かった」「どの制度も地域共生社会を目指して進んでいくので,それぞれの部門で別々に考えるのではなく,一体的に検討していくべきものという考え方が印象的だった」「一つの世帯に問題が複合的にあると,関わる機関も多くなるので,総社市のような全体調整の機関が必要になると感じた」などといった声が聞かれました。
今回のセミナーを一つのきっかけとして,行政・社協が一体となって地域における権利擁護体制の構築に向けて取り組んでいただき,その先にある地域共生社会の実現に向かって,ともに歩んでいただけることを期待しています。