令和4年3月14日(月),災害時における要配慮者の二次被害を防止するための福祉支援体制づくりとその必要性について,平時からの自治体,福祉関係者が一体となった災害時要配慮者支援に対する取組を促進することを目的として,「令和3年度宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会セミナー」を開催しました。
演題「災害派遣福祉チームに関する現状と今後の展望について」
講師:社会福祉法人全国社会福祉協議会 法人振興部長 鈴木 史郎 氏
【内容】
・ 東日本大震災を機に,福祉関係団体だけでなく,災害派遣医療チームや災害派遣保健師チームからも災害時に福祉支援を行うチームの必要性を求められていた。
・ 平成30年5月に厚生労働省が策定したガイドラインに基づき,各都道府県は災害時の福祉支援体制の整備に取り組んでいる。
・ 現在,44都道府県で災害福祉支援に関するネットワークを構築している。
・ 新型コロナウイルス感染症の影響による指定避難所の運営ガイドラインの見直しや市町村自治体における個別避難計画の作成など,避難所運営や避難行動・避難形態が変化している。
・ 全社協では,国が令和4年度予算で実施する災害福祉支援ネットワーク中央センター事業を受託すべく準備を進めており,全国でのネットワーク構築や災害派遣福祉チーム編成に悩みを抱えている都道府県への働きかけを強化していく。
▲オンライン講義を行う鈴木部長
〔最後に〕
今回は,新型コロナウイルス感染防止の観点から会場とオンラインを併用し,市町村自治体職員,社協,福祉施設職員など,約50名の受講者に御参加いただきました。
“大災害は,いつ起きるかわからない。”と台詞は,いつの時代も変わりません。
東日本大震災のような大規模な災害であればあるほど,また,広範囲な災害であればあるほど,「公助の限界」が明らかになり,地域住民や近隣の人と助け合う「共助」が重要な役割を果たします。
この「共助」は,平時からの住民同士の“顔の見える関係づくり”があればこそ効果を発揮するものです。「平時にできないことは,災害時にできっこない。」災害時には,地域で支え合う共助の力が欠かせません。
本会は,宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会の事務局を担い,セミナーや災害派遣福祉チーム養成研修の開催を通じ,平時から災害時にも効果的に福祉支援体制が機能するよう取り組んでいます。
そして,これらの取組が「地域共生社会の実現」を目指す取組となり,災害時でも地域住民一人一人の暮らしと生きがい,地域をともに創っていく社会を目指しております。
地域福祉課地域福祉推進係(宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会事務局)